『岡本太郎の沖縄』

展示期間:2016年7月6日〜10月30日

1959年11月、岡本太郎は返還前の沖縄にはじめて降り立ちます。
久しぶりの骨休め。筆記用具を肌身離さずもち歩いていた敏子が、このときばかりはノートももたずに出かけました。ところが到着した途端にバカンス気分は吹っ飛びます。目の前に広がる光景があまりに刺激的だったからです。
そこで太郎が見たものは、現代人がどこかへ押しやり、失ってしまった日本でした。
「忘れられた日本」、そして「ほんとうの日本」。
清冽に生きる沖縄の人々に、日本人の、そして自分自身の根源を見たのです。さぞ嬉しかったにちがいありません。
震えるほど感動した太郎は、夢中になってシャッターを切りました。直感と感動だけを頼りに、対象にギリギリっと寄って、バシャバシャっと撮る。太郎がのこした写真の数々には〝岡本太郎の眼〟が定着しています。
このとき太郎が切り取った沖縄を見てほしい。太郎の感動を追体験してほしい。それが本展の動機です。太郎が撮影した写真とともに、当時の貴重な記録映像をご覧いただきます。
 「これこそ、オレたち自身なんだぞ、日本そのものなんだぞ」
岡本太郎はそう言いました。
岡本太郎が見た沖縄をどうぞお楽しみください。

 

協力:(株)沖縄テレビ開発、永田 砂知子