『壁画の原画』

2000年1月5日~4月3日

壁画、モニュメント、公共の場所に岡本太郎が作ったパブリックアートは数知れない。彼はこう言っていた。「ああいうものは、誰も一銭もお金を払わないで、 自分のものみたいな顔をして、良いの悪いのと言っていいんだぞ。見もしないで、すうっと通りすぎたっていいんだ。それがいいよ。この絵は何十億でございま すなんて、うやうやしく、見もしないでしまい込んでる。そんなのが、何が芸術だ。」ひらかれた、みんなのもの。そこに彼は情熱をぶつけ、嬉々として挑ん だ。その上、太郎には、 環境、その全体を適確につかみ取る天性の空間感覚があった。それらの作品は、場にピシャッとはまって、ゆるぎない。
原画は、小さいラフなものでも、完成した際の空間全体のイメージをくっきりと定着している。