『岡本太郎の「生命体」』

展示期間:2015年2月18日~2015年6月14日

《生命の樹》は全体がひとつの“生命体”なんだ。

太陽の塔を構想したとき、岡本太郎はその胎内に“生命体”を内蔵させようと考えました。
アメーバから人間にいたる、すべてのいきものが一体となって組織するひとつの生命体。
それが《生命の樹》です。
それは動脈となり、リンパの流れとなって太陽の塔に生命(いのち)を吹きこんでいたのです。

岡本太郎が《生命の樹》で表そうとしたのは、生きとし生けるものを根源で支える“生命(いのち)のエネルギー ”でした。 そしてそれこそが、岡本芸術の根底に流れるテーマだったように思います。
パリの街角、盛られた果物、横たわる裸婦、…。同世代の洋画家たちが好んで描いた画題を、太郎は一枚も描いて いません。 彼が描きつづけたのは生命(いのち)であり、そこに宿るエネルギーの強さと尊さでした。

本展では、太郎が描いた生命(いのち)の数々をご覧いただきます。
ときに激しく、ときにユーモラスに語りかけてくる<いきもの>たちをどうぞお楽しみください。

※会期中には、第17回岡本太郎現代芸術賞で太郎賞を受賞したキュンチョメと、敏子賞を受賞したサエボーグの新作特別展示も行ないました。