『岡本太郎の眼玉』

展示期間:2014年7月2日~2014年9月28日

顔は宇宙だ。
眼は存在が宇宙と合体する穴だ。

岡本太郎は静物や富士山を描きませんでした。
描いたのは〝いのち〟です。
だから多くの作品には顔があります。
ことに晩年は顔しか描きませんでした。
顔といってもほとんど眼だけ。
生命力をたぎらせたギョロっとした眼です。
人生の最後に、太郎はひたすら眼だけを描きつづけたのです。
それらはいずれもたいそう荒っぽく、未完成で、お世辞にも代表作とは言えません。
おそらくうまく描こうとか、完成度の高い作品をつくろうなどとは考えていなかったでしょう。それどころか、他人に見せることさえ想定していなかったかもしれません。
なぜ太郎は、芸術家人生の総仕上げのときに、まるでこどものような絵を描きつづけたのか、しかもなぜそれは眼でなければならなかったのか。
〝宇宙と合体する穴〟に囲まれながら、それを考えてみたい。それが本展の動機です。
絵画作品から土産物まで「岡本太郎の目玉」と存分に触れあってください。