『生命の樹』

展示期間:2011年2月23日~6月26日

大阪万博のテーマプロデューサーを引き受けたとき、岡本太郎は大屋根をブチ抜く『太陽の塔』で進歩主義に否!をつきつける一方で、その胎内にダイナミックな小宇宙を構想した。それが『生命の樹』だ。

うねりをあげてのび上がる一本の樹に、単細胞生物から人類まで、進化の過程をたどる300体の生き物がびっしりと貼り付いている。

地下から天空へ貫いてのびる生命の時間。始原のときから営々と続く生命の生長と変貌。根源から立ちのぼり未来へと向かう生命の尊厳とダイナミズム。

まさしく岡本太郎にしかつくれない唯一無二の芸術だった。

だが万博閉幕後に撤去が進んでしまったために、残念ながらいまは当時の姿を見ることはできない。

そこで生誕100年を迎える記念すべき年に、この『生命の樹』を再現することにした。

手掛けてくれたのはフィギュア制作の世界チャンピオン・海洋堂だ。

写真でしか見ることのできなかった40年前のモニュメントを、ぜひ肌で直に感じて欲しい。必ずや新しい発見があるはずだ。