第24回 太郎賞受賞者特別展示

2022年6月29日(水)〜2022年7月18日(月)

岡本太郎現代芸術賞受賞作家 新作特別展示 大西 茅布 『今日の神話 』

 

 

 

この作品は、私が昼に大学で制作した「昼の絵」と、夜に家で制作した「夜の絵」の二つからできている。

この二つの絵にはどちらにも岡本太郎の「太陽の塔」が描きこまれており、両者を循環するライトモチーフ(leading motive)となっている。その意味で、この作品は岡本太郎へのオマージュでもあるので、題名を「今日の神話」とした。岡本太郎には「明日の神話」という有名な作品がある。

「昼の絵」は空には太陽が輝き気持ちの良い日陰もあり、快適な世界である。強い者たちはお互いを冷静に観察しあいながら交わり、弱いものたちは互いの体温でもって支えあっている。夢を持つ者には孤高が許され裸身を宇宙にさらしている。「昼の絵」は真・善・美の完備した楽園である。

しかし逆の世界である「夜の絵」では、人々は無関係に群がり、巨大武器で大地を埋め尽くし、しかしそれは破壊され怨念が老樹のように世界を覆う。

その両者を貫くのが岡本太郎の「太陽の塔」としてあらわされた、不死鳥である。人間世界で何が起ころうとも、揺らぐことなく地球を温め続ける太陽は、永遠の希望の根源である。

「夜の絵」の戦車は、今日進行中の戦争から漏れ伝わる悲惨な画像を参考にした。この絵が戦地の人々の鎮魂にすこしでも役立てばと思う。

 

大西 茅布 (岡本太郎現代芸術賞 2020年度岡本太郎賞)

 

プロフィール


大西 茅布(ONISHI Chifu)

 

2003 大阪府生まれ

2011 独立展入選

2021年 岡本太郎現代芸術賞 岡本太郎賞最年少(18歳)受賞

2021年 港南造形高校卒

2022 現在東京藝術大学油画専攻2