<太陽の塔>再生プロジェクト

 

太陽の塔内部の修復・復元

2012.10~2018.3
大阪万博からおよそ半世紀。ながらく放置されてきた太陽の塔の内部を修復し、展示施設として常設公開するプロジェクトがはじまりました。耐震補強と展示再生というフェーズの異なるふたつの工事を同時並行で進め、岡本太郎の芸術空間をふたたび蘇らせようというのです。あの細く狭い空間のなかでコンクリートと鉄骨を補強し、失われた多くの生物群を復元し、それをあの複雑な〈生命の樹〉の上に取りつけねばならない。難度の高い工事でしたが、関係者の知恵と熱意が実を結び、工事は順調に進みました。2018年3月19日、“内臓”を取り戻し、長い眠りから眼を醒ました太陽の塔が最初の観客を迎えました。内部公開の反響は大きく、全国から多くの来訪者が詰めかけています。

塔内部の工事風景

 

33種に及ぶ生物造形の再生

再生された<生命の樹>が幻想的な空間体験に誘う

 

修復された原生生物や古代生物

復元した<地底の太陽>。照明・映像・音響を駆使して当時の世界観を伝えている。

 

展覧会『太陽の塔』

2018.9.15~2018.11.4 @あべのハルカス美術館

太陽の塔が再生された機会をとらえて、「太陽の塔とはなにか」を考える展覧会を開催しました。岡本太郎がプロデューサーとして大阪万博に参画した1967年から塔内が再生された2018年までを振り返り、太郎がテーマ館に込めた思いをすくい上げてみたいと考えたのです。テーマ館地下展示のミニチュアジオラマ、1960年代の呪術的な絵画作品、塔内再生のプロセスで使われたモデル・原型など多彩な展示物が並ぶなか、最大の呼び物となったのは1993年に取り外された初代の〈黄金の顔〉。 直径10.6mのスケールで横たわるオリジナル作品に、観客の眼が釘づけになりました。
 

展覧会『太陽の塔』の様子(1)

 

展覧会『太陽の塔』の様子(2)

展覧会『太陽の塔』の様子(3)

 

展覧会『太陽の塔』の様子(4)

展覧会『太陽の塔』の様子(5)