第27回 太郎賞受賞者特別展示

2025年2月5日(水)〜2025年2月24日(月・祝)

岡本太郎現代芸術賞受賞作家 新作特別展示 つん『4XXX年』

 

『4XXX年』

 

4XXX年。ここはかつて人類が生きていたとされる場所だ。人類が不在になった地球にはかつての文明の証として「太陽の塔」が立っている。今から2XXX年後の遙か未来、この太陽の塔がどのような目的で建てられたのか知る者は一人もいない。ただ、そこには「文明があった」ということだけはわかるだろう。「未来の何者か」が遺された太陽の塔を見て、どんな空想をするのか今から楽しみだ。

 

42歳の時、生まれて初めて飛行機に乗った。離陸し、夜の暗闇の中で煌々と輝く空港の光を飛行機の小さな窓から観ていた。初めて観る空からの夜景に興奮しつつも「この眩しくて美しい光もいつか消えていくのだろう」そう思った。明かりは「人の営み」そのものだと思う。これから先、人口が減っていき、空港を利用する乗客、そして空港業務に関わる専門的な知識を持った者も減る一方だろう。華々しくオープンし、一時期は賑わっていた遊園地がいつしか廃墟のようになっていく様に似ている。どんどんと遠く小さくなっていくキラキラと輝く光の群衆を観ながら、胸がギュッとなった。

 

つん (岡本太郎現代芸術賞 2023年度岡本太郎賞)

 

プロフィール


つん(Tsun)

 

1981年福岡県北九州市生まれ。幼少期より自身の心を救うための理想郷である「あなぐまち」を制作。主な受賞歴に「第29回熊本アートパレード(アートパレード大賞(熊本市賞)+オーディエンス賞、2018)」「第27回岡本太郎現代芸術賞(岡本太郎賞+オーディエンス賞、2024)」、主な個展に「つん 今日も『あなぐまち』で生きていく」(宇城市不知火美術館、熊本、2024)など。