『岡本太郎の手』

展示期間:2008年9月3日~11月30日

世界をこの眼で見抜きたい。眼にふれ、手にさわる。
すべてに猛烈に働きかけ、体当たりする。
ひろく、積極的な人間像を自分自身につかむために。

岡本太郎は『手』をモチーフにした作品を数多く残している。
絵画だけでない。彫刻、家具、プロダクト……、さまざまな表現領域で手を繰り返し描いてきた。
手は、太郎にとって『眼』と並んで世界を感知する重要な武器であり、世界と自分をつなぐ窓だったのだろう。
太郎は自らの手の感覚を信頼し、大切にしていた。

単に線と色の、視覚的な、画面の上だけの絶対美なんて空虚だ。
具体的に、生活的にぶつかってくる、現実感のあるもの、
「パルパーブル」(手にふれることのできるもの)がほしいのだ。

この展覧会では、手、そして足や眼をモチーフにした作品を一堂に会して俯瞰してみたい。
世界を見抜こうとした太郎の感性を感じて欲しい。