ヤノベケンジ:太郎と猫と太陽と

2024年7月12日(金)〜2024年11月10日(日)

 

 

“ふたつでひとつ”の愉しみ

 

現代アートシーンの風雲児がふたたび岡本太郎記念館をジャックします。

2011年に〈SUN CHILD〉を引っさげて乗り込んだヤノベケンジが今回ぶつけてきたのは〈BIG CAT BANG/猫大爆発〉。宇宙船「LUCA号」に乗って地球に到達した「SHIP’S CAT/宇宙猫」が無機質だった地球に生命を着床させた、というバカバカしくも壮大な物語です。

太陽の塔はそのときの宇宙船だ。いま大阪でぼくたちを見下ろしている太陽の塔はその亡骸なのだ。ヤノベケンジは真面目な顔でそう言います。

これまでにも太陽の塔をモチーフにした作品は種々あったけれど、こんなにワクワクしたことはありません。馬鹿げたスケールで発想するところが太郎と似ているような気もします。これはなにかやらねばなるまい。そう思いました。

全長9mにおよぶ〈BIG CAT BANG〉はいま、東京・銀座のGINZA SIXの中空に吊られています。かつて経験のない視覚体験に眼を奪われること請けあいです。まずはそれを見て欲しい。そしてもちろん、こちらも見て欲しい。

空間いっぱいに広がる“巨大なワンシーン”が観る者を圧倒する銀座。その背景にあるストーリーとディテールが丁寧に語られる青山。

GINZA SIXと記念館は180度逆のアプローチからひとつの展覧会を構成するものであり、“ふたつでひとつ”なのです。

ヤノベケンジと岡本太郎。そこにある“ふたつでひとつ”をどうぞお楽しみください。

岡本太郎記念館館長 平野暁臣

 

特別協力:GINZA SIX

〈BIG CAT BANG〉@GINZA SIX 中央吹き抜けにて展示中〜2025年夏(予定)

 


 

35億年前に生命がこの地球に誕生し、5度にわたる生物大量絶滅を乗り越えて、

いま私たちは生かされている。

生命はどこから来て、そしてどこに行くのか?

岡本太郎が言い放った「芸術は爆発」のテーマを「猫大爆発」という妄想に乗せて、

生命と宇宙の神秘のイマジネーションの炸裂をお届けしたい。

混迷と危機の世紀に立つ現在だからこそ、我々は想像と創造を爆発させ、

宇宙からの俯瞰した視点を獲得しなければならないのだ。

 

ヤノベケンジ

 


 

ヤノベケンジ

 

現代美術作家/京都芸術大学教授/ウルトラファクトリー・ディレクター
1965年、大阪生まれ。1991年、京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。1990年代初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに機能性を持つ大型機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2017年、「船乗り猫」をモチーフにした、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2022年に開館した大阪中之島美術館のシンボルとして《SHIP’S CAT(Muse)》(2021)が恒久設置される。

http://www.yanobe.com