岡本太郎がこの地にアトリエを構えたのはいまから70年前、1954年5月のことでした。 ここは生まれてからパリに渡るまでを両親と過ごした大切な場所。ところが戦争から戻ると一面の麦畑で、家も、作品も、何もかもが空襲で失われていました。文字どおり裸一貫からの再出発を余儀なくされた太郎は、それでもくじけることなく戦後日本の美術界に斬り込んでいきます。
幼い日、私は 東京の青山6丁目で生れ、育った。あの頃、日本中に舗装した道などというものはなかった。だから いつでも土の肌と 匂いと、そして目の前に舞いあがり、飛びかうさまざまの虫がいた。
太郎のエロティスムは、甘い、ムード的な愛ではない。のけぞる女、激しく迫る男。その男自身も引き裂かれている。緊張、痛苦なしに歓びはない。そう言っているようだ。
岡本太郎 ─ 母、誰でも岡本かの子を思い浮べるだろう。実際、芸術家・岡本太郎の形成にとって、母・かの子の存在は大きい。激しくて、純粋で、ひたむき。あまりにも良く似た親子である。
今回展示するトランプの原画は、岡本太郎といえば激しく強烈な大作、というイメージからは、きっと意外に思われるでしょう。1977年、ベルギーのカード 専門の制作会社でオリジナル美術トランプが作られました。
1956年、丸の内の旧東京都庁舎を飾った陶板壁画11面は、庁舎取り壊しとともに姿を消しました。今回、50号大の原画と共に、同じ大きさの石膏板の原型を展示致します。
アトリエ・客間・庭園は生前のまま、ひょっこり岡本太郎が現れそうなパワーあふれる空間です。
アトリエ・客間・庭園は岡本太郎生前の姿を出来る限り忠実に残しております。林立する彫刻やモニュメント原型、芸術的家具などエネルギ-あふれる爆発空間でTAROと出会って下さい。